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任期満了で再任されなかった兼務取締役の従業員の地位と解雇―大阪地方裁判所平成13年10月26日判決

公開 2001年10月26日更新 2026年10月30日

▶ 任期満了で再任されなかった役員の方の御相談

従業員から部長を兼ねたまま取締役に就任した2名が、経営陣の対立の中で株主総会において取締役に再任されなかった後、取締役の地位は失っても従業員としての地位は失っていないとして、会社に対し、労働契約上の地位の確認と賃金の支払を求めた場面の判例です。大阪地方裁判所平成13年10月26日判決は、2名が取締役就任後も従業員としての地位を有していたこと、2名が自ら退職の意思表示をしたとはいえないことを認めました。しかし、株主総会の終了時に会社の代理人弁護士が述べた挨拶を解雇の意思表示と認め、2名が社長の退任を求める署名活動を部課長級の従業員に対して行ったことなどを重大な秩序紊乱行為として、解雇は解雇権の濫用に当たらず有効であるとし、請求をいずれも棄却しました。

本記事では、取締役を兼ねた部長が従業員であり続けたと認められた理由、取締役就任時に退職金を受け取っていたことの扱い、再任されなかった後の私物の整理や欠勤が退職の意思表示とされなかった理由、そして結論を分けた解雇の判断を、任期満了で再任されなかった役員の側から整理します。

Contents
  1. 裁判例の基本情報
  2. 当事者の表記
  3. 事案の概要
    1. 部長のまま取締役に就任した2名
    2. 兼務役員としての届出と、出勤簿・有給休暇
    3. 取締役就任前後の賃金・報酬
    4. 経営陣の対立と署名活動
    5. 株主総会で再任されず、そして解雇
  4. 事案の経緯
  5. 就業規則と退職年金規約の定め
    1. 就業規則第72条―懲戒(判決が解雇事由に部分的に該当するとした各号)
    2. 就業規則第80条―解雇
    3. 就業規則第86条第1項―定年(兼務役員の定年)
    4. 退職年金規約第3条―役員は制度上の従業員に含まれず、役員就任は「退職」に含まれる
  6. 当事者の請求と主要な主張
    1. 元取締役2名の請求
    2. 主要な主張の対比
  7. 結論を左右した争点
  8. 裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み
    1. 取締役に就任した従業員が従業員の地位を失うかの判断枠組み
    2. 判決が認定した勤務の実態
  9. 各主張を採用し又は排斥した理由
    1. 従業員の地位―取締役就任後も従業員の地位を有していた
    2. 取締役就任時の退職金の受領―いったん退職しても、新たな雇用契約又は変更契約が認められる
    3. 退職の合意―私物の整理や欠勤だけでは退職の意思表示とはいえない
    4. 平成12年6月30日の解雇予告―代理人弁護士の挨拶を解雇の意思表示と認めた
    5. 解雇事由―部課長級の従業員を主導権争いに巻き込んだことは重大な秩序紊乱行為
    6. 平成13年1月30日の解雇予告―判断されていない
  10. 主文及び結論
  11. 判断の射程
    1. 参考となる点
    2. 一般化できない点
  12. よくあるご質問
    1. 取締役に再任されなかったら、従業員としての地位も当然になくなるのですか。
    2. 取締役に就任したときに退職金を受け取っていますが、従業員の地位を主張できますか。
    3. 再任されなかった後、私物を持ち帰り、出勤していません。自分から退職したことになりますか。
    4. 会社の弁護士から「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」と言われただけですが、解雇されたことになるのですか。
    5. 経営陣の対立で、会長側に付いて行動したことは、解雇の理由になりますか。
    6. 兼務役員として従業員の地位を争う場合、どのような資料が役に立ちますか。
  13. 関連する記事と御相談のご案内

裁判例の基本情報

裁判所 大阪地方裁判所
裁判日 平成13年10月26日
事件番号 平成12年(ワ)第11480号
裁判の形式 判決
審級 第一審
結論 元取締役2名(原告ら)の請求をいずれも棄却。訴訟費用は元取締役2名の負担
上訴の状況 控訴の有無及び確定は確認できていません。控訴審等の関連する判決の本文は、当事務所では確認できていません

この表は、判決本文の冒頭、主文及び末尾の記載に基づいて当事務所が作成したものです。

当事者の表記

判決に出てくる会社名・氏名は、本記事独自のイニシャルに置き換えています。判決が用いた「原告」「被告」の表記も、そのままでは使わず、次の表記に置き換えています。判決本文を引用する部分でも同じ表記に置き換え、置き換えた箇所を〔 〕で示しています。

本記事の表記 立場
化学薬品メーカーKSY 被告。化学工業薬品、試薬、医薬、食品添加物等の製造・加工等を目的とする株式会社です。判決は、会長、その甥である社長、会長の長男である副社長が株式の大半を握る同族会社であるとの元取締役側の主張を記載しています
元取締役(外国部長)MRK氏 原告の一人。昭和46年3月16日に雇用され、外国部長を経て平成11年11月11日に取締役に就任し、平成12年6月30日の任期満了により取締役を退任しました
元取締役(資材部長)TNB氏 原告の一人。昭和45年3月16日に雇用され、資材部長を経て平成11年5月28日に取締役に就任し、平成12年6月30日の任期満了により取締役を退任しました。平成11年11月からは東京支店長を兼ねていました
会長SGM氏 当時の代表取締役会長。社長の退任を望み、元取締役2名の署名活動の背景となった人物です
社長HKD氏 当時の代表取締役社長で、会長SGM氏の甥です。平成12年5月の取締役会で代表取締役及び社長から解任されましたが、同年6月30日の株主総会で巻き返し、判決の時点では会社の代表者でした
副社長NRT氏 当時の代表取締役副社長で、会長SGM氏の長男です。元取締役2名の直属の上司でした

このほか、署名活動に加わった他の取締役2名、会社の代理人弁護士、会社の海外子会社、会社の従業員が登場します。いずれも本記事では役割だけで表記します。

事案の概要

部長のまま取締役に就任した2名

元取締役MRK氏と元取締役TNB氏は、いずれも30年近く化学薬品メーカーKSYに勤務した従業員で、外国部長、資材部長を経て、平成11年に取締役に就任しました。取締役に就任した後も、就任前の役職のまま勤務を続け、職務については、就任前と同じく、決裁権者である会長SGM氏、社長HKD氏、副社長NRT氏に報告し、必要に応じて役員会に報告して承認を受けることになっていました。この点は当事者間に争いがありません。

2名は、役員に就任する際、「適格退職金」という名目で、会社の退職年金規約に基づく金員を受け取りましたが、従業員としての退職届を提出したことはありませんでした。会社は、受け取った退職金の額を、元取締役MRK氏が1,355万8,700円、元取締役TNB氏が1,417万1,100円であると主張しています(金額は会社の主張として判決本文に記載されたものです)。

兼務役員としての届出と、出勤簿・有給休暇

会社は、職業安定所長に対し、元取締役TNB氏については平成11年7月ころ、元取締役MRK氏については平成12年1月ころ、兼務役員の雇用実態証明書を提出していました。判決本文によれば、そこには次のように記載されていました。

記載事項 元取締役MRK氏 元取締役TNB氏
役員としての業務 貿易担当 購買担当
従業員としての業務 外国部長 資材部長
役員報酬 6万円 6万円
従業員賃金 74万円 79万円
就業規則の適用状況 全部適用
社会保険 労災保険、健康保険、厚生年金保険のいずれも適用ないし加入
拘束勤務時間 8時30分から17時まで

また、就業規則は、従業員は始業時刻までに出勤し出勤簿に捺印するなどの手続をしなければならないと定めており、2名は出勤日には必ず出勤簿に捺印し、有給休暇の制度の適用を受けて有給休暇の申請をしていました。給料明細には出勤日数と欠勤日数が明記されていました。ただし、就業規則には、課長以上の管理職について、勤務時間、休憩及び休日について異なる取扱いをすることがある旨の規定もありました。

取締役就任前後の賃金・報酬

判決本文は、取締役就任後は基本給が「二本立て」となったとして、次のとおり賃金ないし報酬を記載しています(通勤手当は別に記載しています)。

時期 元取締役MRK氏 元取締役TNB氏
平成11年11月 合計63万6,600円(基本給54万9,600円、役付手当4万円、住宅手当1万3,000円、家族手当3万円、食事手当4,000円)。通勤手当1万830円 合計63万8,000円(基本給56万3,000円、役付手当4万円、住宅手当1万3,000円、家族手当1万8,000円、食事手当4,000円)。通勤手当1万830円
取締役就任後平成12年3月まで 基本給74万円及び基本給6万円。通勤手当1万830円 基本給79万円及び基本給6万円。通勤手当1万830円
平成12年4月以降 基本給79万円及び基本給6万円。通勤手当1万830円 基本給84万円及び基本給6万円。通勤手当1万5,610円(社宅分及びその他を除く)

元取締役TNB氏は平成11年5月に取締役に就任していますが、判決本文は、同氏についても平成11年11月の内訳を上表のとおり記載しています。判決本文の記載のままとしています。会社は、取締役就任に伴い報酬及び賞与が大きく増額され、通勤手当以外の手当は支給されなくなったと主張しました。

経営陣の対立と署名活動

判決の認定によれば、化学薬品メーカーKSYでは、会長SGM氏及びその長男である副社長NRT氏と、社長HKD氏との間に確執のある状態が続いていました。元取締役2名は、会長SGM氏及び副社長NRT氏の、社長HKD氏を退任させたいとの意向を受けて、平成11年12月ころから、他の取締役2名とともに、部課長級の従業員に社長の退任を求める署名活動を行い、52人の署名を集めました。

平成12年5月23日の取締役会では、元取締役MRK氏が、社長HKD氏を代表取締役及び社長から解任することを提案し、社長HKD氏が退席したうえで、元取締役TNB氏も賛成して、解任が可決されました(会社は、この取締役会を5月22日と主張していますが、判決の認定は5月23日です)。

株主総会で再任されず、そして解雇

しかし、同年6月20日ころには、社長HKD氏の多数派工作もあり、元取締役2名が取締役から解任されるであろうとの噂が飛び交うようになりました。6月30日の株主総会では、会長SGM氏、副社長NRT氏、他の取締役2名の取締役退任が決まり、元取締役2名も再任されませんでした。総会の終了時、2名は会社の代理人弁護士から「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」と挨拶されました。2名はその後、私物を持ち帰り、出勤していません。

2名は、取締役の地位は任期満了で失ったとしても、従業員としての地位は失っていないとして、会社に対し、労働契約上の地位の確認と、平成12年8月分以降の賃金の支払を求めて提訴しました。

事案の経緯

時期 出来事(判決本文の争いのない事実等及び認定事実による)
昭和45年3月16日 元取締役TNB氏が雇用される
昭和46年3月16日 元取締役MRK氏が雇用される
平成11年5月28日 元取締役TNB氏が取締役に就任(資材部長のまま)
平成11年7月ころ 会社が職業安定所長に元取締役TNB氏の兼務役員の雇用実態証明書を提出
平成11年11月 元取締役TNB氏が東京支店長を兼ねる
平成11年11月11日 元取締役MRK氏が取締役に就任(外国部長のまま)
平成11年12月ころから 元取締役2名が、他の取締役2名とともに、部課長級の従業員に社長HKD氏の退任を求める署名活動を行い、52人の署名を集める
平成12年1月ころ 会社が職業安定所長に元取締役MRK氏の兼務役員の雇用実態証明書を提出
平成12年5月23日 取締役会で、元取締役MRK氏の提案により、社長HKD氏の代表取締役及び社長からの解任が可決される
平成12年6月20日ころ 社長HKD氏の多数派工作もあり、元取締役2名が取締役から解任されるとの噂が飛び交う
平成12年6月25日ころ 元取締役TNB氏が、東京支店長も辞めさせられると考え、部下に別れの挨拶をする
平成12年6月30日 株主総会。会長SGM氏、副社長NRT氏、他の取締役2名の退任が決まり、元取締役2名は再任されず、任期満了により取締役を退任。総会の終了時に会社の代理人弁護士が「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」と挨拶。その後、2名は通勤費や旅行の積立金の清算、健康保険の切替手続等の書類を作成
平成12年7月1日 元取締役2名が私物を自宅に持ち帰る。以後出勤せず
平成12年7月5日ころ 元取締役2名が会社から離職票の送付を受ける
平成12年7月30日 判決が解雇の効力が生じたと判断した日
平成12年8月10日ころ 元取締役2名が役員退任慰労金を受領(税引前で、元取締役MRK氏95万2,000円、元取締役TNB氏176万4,000円)
平成12年 元取締役2名が大阪地方裁判所に提訴(平成12年(ワ)第11480号)
平成13年1月30日 会社が、口頭弁論期日に陳述した準備書面で、30日後に解雇する旨の意思表示をしたと主張(予備的な解雇)
平成13年10月26日 大阪地方裁判所が、請求をいずれも棄却する判決

就業規則と退職年金規約の定め

判決本文は、就業規則と退職年金規約の定めを掲げています。以下は、判決本文に記載された条項を、判決本文の文言のまま引用したものです(数字の表記も判決本文のとおりです)。判決本文でも一部が省略されています。

就業規則第72条―懲戒(判決が解雇事由に部分的に該当するとした各号)

第七二条 従業員に次の行為があったときは、各号の規定する範囲で懲戒する。
(6) 職務又は権限を利用して不公正な手段により、自己又は他人の利益を謀ったとき(以下省略)。
(7) 故意又は過失によって業務に支障を生じさせ、又は会社に損害を与えたとき。
〈1〉 故意に重大な結果を生じた場合。最高を懲戒解雇とする。
〈2〉 故意によるその他の場合。最高を諭旨解雇とする。
〈3〉 (以下省略)。
(8) 業務命令若しくは会社の諸規定、令達、指示に従わないとき。 最高を諭旨解雇とする。

判決は、元取締役2名の署名活動等について、就業規則は秩序を乱す行為そのものを解雇事由と規定するものではないが、この第72条の(6)から(8)に部分的に該当すると判断しました。

就業規則第80条―解雇

第八〇条 従業員が次の各号の一に該当するときは解雇とする。
(1) (省略)
(2) 事業の縮少、廃止、その他止むを得ない業務上の都合によるとき。
(3) 第八章懲戒の章の諭旨解雇並びに懲戒解雇に該当するとき。
(4) (以下省略)

就業規則第86条第1項―定年(兼務役員の定年)

第八六条(1) 従業員の定年は満六〇才とし、退職の日は満六〇才に達した日の属する賃金締切日とする。ただし、兼務役員の定年は六五才とする。

就業規則自体が「兼務役員」という立場を予定し、従業員の定年に関する規定の中で兼務役員の定年を定めていた点は、兼務役員が就業規則の適用を受ける従業員でもあることを前提とした規定と読むことができます(この読み方は当事務所の評価です。判決は、この条項について特に言及していません)。

退職年金規約第3条―役員は制度上の従業員に含まれず、役員就任は「退職」に含まれる

〈2〉 次の各号に該当する者は、本制度における従業員に含まれない。
1 役員 2(以下省略)
〈4〉 本制度に加入した従業員は、退職(役員就任を含む。以下同じ)又は死亡に至るまで本制度から脱退することができない。

退職年金規約は、定年前退職年金(第6条)と定年前退職一時金(第8条)の給付率の区分にも「役員就任」を掲げていました。会社は、これらの規定から役員就任が退職事由に当たることは明らかであると主張しました。

当事者の請求と主要な主張

元取締役2名の請求

  • 2名が会社に対し、労働契約上の地位を有することの確認
  • 元取締役MRK氏について160万1,660円、元取締役TNB氏について171万1,220円と、これらに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払
  • 平成12年10月25日以降毎月25日限り、元取締役MRK氏に80万830円、元取締役TNB氏に85万5,610円の割合による金員の支払

月額の請求額は、取締役就任後の2本の基本給のうち、役員分とされた6万円を除いた基本給(元取締役MRK氏79万円、元取締役TNB氏84万円)に通勤手当を加えた額と一致します(この対応関係は当事務所の計算によるものです)。会社の賃金は毎月10日締め当月25日払いです。

主要な主張の対比

論点 元取締役2名の主張 化学薬品メーカーKSYの主張
従業員の地位 役員就任後も就任前の役職で勤務し、職務に差異はない。役員就任で従業員の資格を失う旨の規定もない。退職金の受領の際に従業員の地位を失うとの説明は受けていない。兼務役員の雇用実態証明書、出勤簿、有給休暇、給料明細の区分、従業員分を基礎とする社会保険料の控除、賞与の支給、従業員の人件費としての会計処理からみて、従業員の地位を兼ねていた 役員就任の際に退職し、その後雇用契約は締結されていない。退職年金規約は役員就任を退職事由としており、2名は多額の退職金を受け取った。雇用実態証明書は将来の失業保険の受給のための便宜的な取扱いにすぎない。出勤簿は出社確認にすぎず、就業規則による拘束は受けていない。部内人事権を有し、支出権限も増額した。毎月の支給額が全て取締役報酬であったことを知りながら大部分を賃金と主張するのは、クリーンハンドの原則に反する
退職の合意 退職の意思を表示したことはない。担当業務が替えられるとの情報を得ており、後任も決まっていたため、他への配置の連絡を待っていた 再任されないことを予期して所持品を整理し、再任されなかった後に私物を撤去し、元取締役TNB氏は「これでお別れです」と挨拶した。その後一切出勤していない。明示又は黙示に退職の意思表示をし、会社も承諾した
平成12年6月30日の解雇予告 解雇予告の事実は否認する 株主総会の終了後に解雇を予告し、2名は同年7月30日をもって退職した
解雇事由 会社は典型的な同族会社で、署名活動は実質的な支配者である会長SGM氏の指示によるもので、逆らうことはできなかった。骨肉の争いに巻き込まれた。役員の地位を失う運命は甘受するとしても、従業員の地位を意に反して奪われることは容認できない。その他の解雇事由も否認する (1)副社長NRT氏による従業員への行為を知りながら阻止や報告をしなかったこと、(2)社長HKD氏の解任を謀り会社の秩序を乱し業務に支障を生じさせたこと、(3)内部の秘密文書を無断で社外に持ち出し裁判手続で公開したこと、(4)元取締役MRK氏が海外子会社の代表者の地位を濫用して株式の売却を進めたこと
平成13年1月30日の解雇予告 解雇事由はない 口頭弁論期日に陳述した準備書面で、30日後に解雇する旨の意思表示をした(予備的な主張)

表中の主張は、判決本文が記載した当事者の主張を当事務所が要約したものです。裁判所が認定した事実とは区別してお読みください。会社が挙げた解雇事由のうち、(1)、(3)、(4)について、判決は判断していません。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

結論を左右した争点

判決は、争点を、(1)元取締役2名が従業員の地位を有するか、(2)退職の合意がされたか、(3)平成12年6月30日の解雇予告の有無及び効力、(4)平成13年1月30日の解雇予告の有無及び効力の4つに整理しました。

判決は、(1)では元取締役2名の主張を認め、(2)では会社の主張を退けました。結論を分けたのは(3)です。

  1. 株主総会の終了時に会社の代理人弁護士が述べた「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」との挨拶が、解雇の意思表示に当たるか。
  2. 社長の退任を求めて部課長級の従業員の署名を集め、取締役会で社長の解任を提案・可決したことを理由とする解雇が、解雇権の濫用に当たるか。

判決は、いずれについても会社の主張を認め、(4)については判断していません。

裁判所が認定した重要な事実と判断の枠組み

取締役に就任した従業員が従業員の地位を失うかの判断枠組み

判決は、従業員が取締役に就任した場合に従業員の地位を失うかどうかは、取締役就任後の契約関係が雇用契約関係であるか否かによるとしたうえで、2つの場合に分けて判断の枠組みを示しました。

第1に、取締役就任が名目的なものにとどまる場合について、次のように述べました。

「取締役就任が名目的なものに止まり、その就任後も、担当する業務や権限に変更がないときは、その就任によって、従来の契約関係に変更が生じたとはいえないから、なお従業員性を失わないということができる。」

第2に、実質的にも取締役となった場合については、取締役の地位に兼ねて従業員の地位を有するかどうかの問題であるとして、次のように述べました。

「従業員たる地位を有するといえるためには、その契約関係が、委任契約関係を超えて、当該取締役が代表取締役或いは上位取締役の指揮監督下において労務を提供し、それに対する対価を得ているという支配従属関係があることを要するというべきである。」

「このような支配従属関係があるかどうかは、当該取締役が担当する具体的な職務内容、会社における地位や権限、勤務場所や勤務時間の拘束性等によって判断すべきである。」

判決が認定した勤務の実態

判決は、争いのない事実に加え、書証と元取締役TNB氏の本人尋問の結果から、次の事実を認めました。

  • 2名が担当した部長という役職は、就業規則の適用を受ける地位であって、必ずしも取締役が担当する役職とはされていないこと
  • 取締役就任後も担当業務に変更がなく、元取締役MRK氏は販売計画案の作成、人員の配置、対外折衝、契約書類等の作成等の日常業務を、元取締役TNB氏は資材に関する情報収集やその購入・販売に関する日常業務のほか、平成11年11月からは東京支店長を兼ねていたこと
  • 出勤日には始業時間までに出勤して出勤簿に捺印し、終業時間まで勤務し、休暇は有給休暇の制度の適用を受けて届出のうえ取得していたこと
  • 取締役就任により取締役会に出席して意見を述べることはできたが、就任前と比べて支出権限が若干変わったほかは、実質的に権限は増えていないこと
  • 勤務時間中の業務のほとんどは、元取締役MRK氏は貿易部長としての業務、元取締役TNB氏は資材部長及び東京支店長としての業務であったこと

判決は、これらから、2名は従前従業員として行っていた業務をそのまま継続し、決裁を受ける事項も勤務時間・休日の扱いも従業員当時と変わらず、部長の職務に従事する関係では上司である会長、社長、副社長の指揮監督を受けていたもので、支配従属関係にあったと認めました。

なお、元取締役MRK氏の業務について、判決本文は「外国部長」と「貿易部長」の両方の表記を用いています。本記事では判決本文の表記のままとしています。

各主張を採用し又は排斥した理由

従業員の地位―取締役就任後も従業員の地位を有していた

就業規則による拘束を受けていないとの主張 判決は、取締役就任に当たって出勤時間等の扱いが変更されたという事実は認められないとして、採用しませんでした。

部内人事権があったとの主張 判決は、書証には部内人事権が与えられた旨の記載があるとしつつ、人事権の性質上、担当部とはいえ無制限な人事権が与えられていたとは考え難いとしました。

クリーンハンドの原則に反するとの主張 判決は、次のように述べて採用しませんでした。

「実態が雇用関係である場合に、その報酬の性質について、賃金であると主張したとしても、これが信義に反するとはいえず、この点に関する〔化学薬品メーカーKSY〕の主張も採用できない。」

取締役就任時の退職金の受領―いったん退職しても、新たな雇用契約又は変更契約が認められる

会社が最も強く主張したのは、2名が役員就任の際に退職年金規約に基づく退職金を受け取ったことでした。判決は、まず、この受領が原則として退職の承諾に当たることを認めました。

「退職金が退職を原因として支給されるものであることに鑑みれば、これを受領することは、取締役就任を退職時とする就業規則の有無に関わらず、原則として、退職を承諾するもので、当該従業員はこれによって従業員たる地位を失うものというべきである。」

しかし、判決は続けて、その後も実質的に雇用関係が継続する場合について、次のように述べました。

「しかし、その後も、実質的に雇用関係が継続するときは、現実に会社の指揮監督下において労務が提供され、会社はそれに対する対価を支払うという関係が存在するわけで、会社としてもそれを容認しているのであるから、そこには、新たな雇用契約の締結か、或いは、従前の雇用契約を退職金の関係などについて金銭的に清算するなどして、新たな労働条件等を定めるなどその内容を変更する変更契約の締結が認められるというべきである。」

判決は、本件の合意が新たな雇用契約の締結であるか変更契約にとどまるかは、確定する必要がないとして判断していません。そのうえで、2名は取締役就任後も従業員の地位を有していたと結論付けました。

なお、会社は、兼務役員の雇用実態証明書は将来の失業保険の受給のための便宜的な取扱いにすぎないと主張していましたが、判決は、この証明書の位置付けについて個別には述べていません。従業員の地位の判断は、前記の勤務の実態に基づいてされています。

退職の合意―私物の整理や欠勤だけでは退職の意思表示とはいえない

判決は、元取締役TNB氏が6月25日ころ部下に別れの挨拶をしたこと、総会後に通勤費や旅行の積立金の清算、健康保険の切替手続等の書類を作成したこと、2名が私物を整理して持ち帰ったこと、その後出勤していないことを認定しました。そして、2名が、自分たちの加担した会長SGM氏らが経営上の主導権争いに敗れたことから、退職あるいは左遷があり得ると覚悟していた様子はあるとしつつ、次のように述べました。

「部下に別れの挨拶をしたり、私物を整理したこと、若干の清算書類の作成をしたこと、出勤をしなかったという程度をもってしては、未だこれを自ら退職の意思表示をしたものということはできない。」

判決は、他に2名が退職の意思表示をしたと認めるに足りる証拠はないとして、退職の合意を否定しました。

平成12年6月30日の解雇予告―代理人弁護士の挨拶を解雇の意思表示と認めた

判決は、会長SGM氏及び副社長NRT氏が社長HKD氏を経営から排除しようとし、2名がこれに加担したが、社長HKD氏の巻き返しにあい、株主総会で取締役の地位を失うことになったという経緯を確認しました。そのうえで、総会の終了時の代理人弁護士の挨拶、その後の清算書類の作成、7月5日ころの離職票の送付を総合して、次のように判断しました。

「前記〔化学薬品メーカーKSY〕代理人弁護士からの「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」との挨拶は、その株主総会によって選出された取締役や〔社長HKD氏〕の意思を表現したものであって、これをもって解雇の意思表示がされたものと認めることができる。」

解雇の効力が生じる時期については、判決は、挨拶の表現からは退職時期をいつにしたかは明確でないとし、次の事情を挙げました。

「〔化学薬品メーカーKSY〕の意識としては、取締役退任後に従業員たる地位が存続していると考えてはいなかったとはいえるものの、就業規則上は、懲戒解雇以外は解雇予告するものとされており、〔化学薬品メーカーKSY〕代表者の意思としても、即時解雇に固執していたものとは認められない」

そのうえで、判決は、この解雇の意思表示は、濫用によるものでない限り、30日が経過した平成12年7月30日をもって効力を有するとしました。

会社自身は取締役退任後に従業員の地位が残っているとは考えていなかったと判決も認めながら、その挨拶を解雇の意思表示と認めた点は、本件の特徴です。元取締役の側からみると、従業員の地位を認めさせたうえで、争いの中心が解雇の有効性に移ったことになります(この整理は当事務所の評価です)。

解雇事由―部課長級の従業員を主導権争いに巻き込んだことは重大な秩序紊乱行為

判決は、2名が平成11年12月ころから他の取締役2名とともに部課長級の従業員に社長HKD氏の退任を求める署名活動を行い52人の署名を集めたこと、平成12年5月23日の取締役会で元取締役MRK氏が社長HKD氏の代表取締役及び社長からの解任を提案し、元取締役TNB氏も賛成して可決されたことについて、これが会社の企業秩序に多大の混乱を与えたことは容易に認めることができるとしました。

2名は、署名活動は会長SGM氏の指示によるものであると主張しましたが、判決は次のように述べました。

「代表取締役選任について何の権限もない部課長級の従業員の署名を集めたことは、これらの部課長級の従業員を経営上の主導権争いに巻き込んだもので、重大な秩序紊乱行為ということができる。」

そして、就業規則との関係について、次のように述べました。

「〔化学薬品メーカーKSY〕の就業規則は、秩序を乱す行為そのものを解雇事由と規定するものではないが、第七二条の(6)ないし(8)に部分的に該当するものということができる。」

結論として、判決は、その行為の重大さからすると、「〔化学薬品メーカーKSY〕主張の他の解雇事由について検討するまでもなく、本件解雇を解雇権の濫用ということはできない。」としました。こうして、2名は平成12年7月30日をもって従業員の地位を失ったとされました。

判決は、会長SGM氏の指示によるものであったとしても秩序紊乱行為に当たるとしていますが、取締役会で解任を提案し賛成したこと自体を取締役としての行為と従業員としての行為のいずれとみたのかについては、特に区別して述べていません(この点の指摘は当事務所の評価です)。

平成13年1月30日の解雇予告―判断されていない

判決は、平成12年7月30日の解雇によって従業員の地位を失ったとしたため、会社が予備的に主張した平成13年1月30日の準備書面による解雇の意思表示については、判断を示していません。

主文及び結論

判決の主文は、「〔元取締役2名〕の請求をいずれも棄却する。」「訴訟費用は〔元取締役2名〕の負担とする。」というものです(判決本文の「原告ら」を本記事の表記に置き換えています)。

判決は、2名の従業員の地位の確認と平成12年8月分以降の賃金の支払を求める請求は、いずれも理由がないとしました。2名は、取締役就任後も従業員の地位を有していたこと、自ら退職したのではないことは認められましたが、平成12年7月30日に効力を生じた解雇が有効とされたため、請求した8月分以降の賃金は認められませんでした。

争点 判決の判断
取締役就任後の従業員の地位 肯定(支配従属関係あり)
取締役就任時の退職金の受領 原則として退職の承諾に当たるが、実質的に雇用関係が継続しており、新たな雇用契約又は変更契約の締結が認められる
クリーンハンドの原則 信義に反しない
退職の合意 否定
平成12年6月30日の解雇の意思表示 肯定(代理人弁護士の挨拶)。効力発生は30日経過後の平成12年7月30日
解雇権の濫用 否定(署名活動と取締役会での解任提案・賛成は重大な秩序紊乱行為)
会社が挙げたその他の解雇事由 判断していない
平成13年1月30日の解雇 判断していない
結論 請求をいずれも棄却

判断の射程

以下は、判決の内容を踏まえた当事務所の評価です。判決が述べた事項と区別してお読みください。

参考となる点

  • 任期満了で再任されなくても、従業員の地位が当然に失われるわけではないこと。本判決は、取締役に再任されなかったことで取締役の地位は失っても、取締役就任後も従業員の地位を有していた以上、その地位は別に問題となることを前提に判断しています。従業員から取締役となった方が任期満了で再任されなかった場合には、取締役の地位とは別に、従業員としての地位が残っているかを検討する意味があることを示した例です。
  • 兼務役員の従業員性は、勤務の実態で判断されたこと。判決は、担当する具体的な職務内容、会社における地位や権限、勤務場所や勤務時間の拘束性等から支配従属関係の有無を判断するとし、就任前と同じ部長職の業務を続けていたこと、決裁を受ける事項が変わらなかったこと、出勤簿への捺印や有給休暇の取得、実質的な権限の増加がないことなどを重視しました。
  • 取締役就任時に退職金を受け取っていても、それだけで従業員の地位が否定されるわけではないこと。判決は、退職金の受領を原則として退職の承諾と認めながら、その後も実質的に雇用関係が継続するときは、新たな雇用契約又は変更契約の締結が認められるとしました。役員就任時に退職金を受け取った兼務役員の方にとって、重要な判断です。
  • 再任されなかった後の行動が、直ちに退職の意思表示とはされなかったこと。部下への別れの挨拶、私物の整理、清算書類の作成、出勤しなかったことは、退職の意思表示とは認められませんでした。再任されなかった直後に会社を去るような行動をとってしまった場合でも、それだけで退職を認めたことにはならないと判断された例です。
  • 曖昧な言葉でも、解雇の意思表示と認められ得ること。株主総会の終了時の「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」との挨拶が、経緯や離職票の送付と合わせて解雇の意思表示と認められました。元役員の側からみれば、この時点で解雇の効力を争う準備が必要になることを意味します。
  • 経営陣の対立に加わった行為が、従業員としての解雇事由とされたこと。判決は、会長の指示によるものであっても、権限のない部課長級の従業員の署名を集めて主導権争いに巻き込んだことは重大な秩序紊乱行為であるとし、解雇権の濫用を否定しました。経営陣の対立の一方に加わる兼務役員の方は、その行動が取締役の地位だけでなく従業員の地位にも影響し得ることに注意が必要です。

一般化できない点

  • 従業員の地位の判断は、部長職の業務の継続、上位の取締役の決裁、出勤簿・有給休暇の運用、役員分6万円に対し従業員分74万円又は79万円とされた報酬の内訳、兼務役員の雇用実態証明書の提出といった本件の具体的な事情を踏まえたものです。取締役就任後に業務や権限が大きく変わった場合には、結論が異なり得ます。
  • 解雇が有効とされたのは、社長の退任を求める署名を部課長級の従業員52人から集め、取締役会で社長の解任を提案・可決したという本件の事情によります。判決は、会社が挙げたその他の解雇事由を検討していません。任期満了で再任されなかった兼務役員の解雇が一般に有効になるという趣旨ではありません。
  • 本判決は平成13年の判決です。当時、解雇権の濫用の法理は判例上の法理として適用されていました。現在は、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない解雇は無効とする規定が労働契約法第16条に置かれています。取締役の任期等については、当時の商法が適用されていました。遅延損害金の年5分の割合も、当時の法令によるものです(これらの説明は当事務所によるものです)。
  • 本件は任期満了による退任であり、任期中の解任の事案ではありません。正当な理由のない解任による損害賠償等は、本件では問題とされていません。
  • 判決は、取締役就任後の契約関係が新たな雇用契約か変更契約かを確定していません。退職金の清算の方法や、再度の退職の際の退職金の扱いについては、判断を示していません。
  • 控訴の有無及び確定は確認できていません。

正当な理由のない解任や事実上の解任について、残存任期の役員報酬相当額の請求を検討している方は、次のページを御覧ください。

よくあるご質問

取締役に再任されなかったら、従業員としての地位も当然になくなるのですか。

本判決は、当然になくなるとは扱っていません。取締役就任後も従業員の地位を有していたかを、担当する職務内容、会社における地位や権限、勤務場所や勤務時間の拘束性等から判断し、本件では、部長職の業務を続け、上位の取締役の指揮監督を受けていたとして、従業員の地位を認めました。そのうえで、従業員の地位が終了したかどうかを、退職の合意や解雇の有効性の問題として別に検討しています。

取締役に就任したときに退職金を受け取っていますが、従業員の地位を主張できますか。

本判決は、退職金の受領は原則として退職の承諾に当たるとしました。しかし、その後も実質的に雇用関係が継続し、会社がそれを容認している場合には、新たな雇用契約又は従前の雇用契約の内容を変更する契約の締結が認められるとし、従業員の地位を認めました。退職金を受け取ったことだけで諦める必要はなく、取締役就任後の勤務の実態が重要になります。

再任されなかった後、私物を持ち帰り、出勤していません。自分から退職したことになりますか。

本判決では、部下への別れの挨拶、私物の整理、若干の清算書類の作成、出勤しなかったことは、それだけでは退職の意思表示とはいえないとされました。もっとも、その後の行動や会社とのやり取りの内容によって評価は変わり得ますので、従業員の地位を争う意思がある場合は、その旨を早めに明確にしておくことが考えられます。

会社の弁護士から「ご苦労様でした。退職金は後でお支払いします」と言われただけですが、解雇されたことになるのですか。

本判決は、経営上の主導権争いの経緯、株主総会の直後の挨拶であったこと、その後の清算書類の作成や離職票の送付を総合して、この挨拶を解雇の意思表示と認めました。そして、就業規則上懲戒解雇以外は解雇予告をするものとされていたことなどから、30日後に効力が生じるとしました。明確な解雇通知がなくても解雇と認められる場合があるため、会社の言動を記録しておくことが大切です。

経営陣の対立で、会長側に付いて行動したことは、解雇の理由になりますか。

本判決では、会長の指示によるものであったとしても、代表取締役の選任について権限のない部課長級の従業員の署名を集めて主導権争いに巻き込んだことが、重大な秩序紊乱行為とされ、解雇は有効とされました。ただし、これは署名活動の規模や取締役会での解任の提案といった本件の事情に基づく判断であり、対立の一方に付いたこと自体が当然に解雇事由になるという趣旨ではありません。

兼務役員として従業員の地位を争う場合、どのような資料が役に立ちますか。

本判決が従業員の地位を認める際に重視したのは、取締役就任前後の担当業務と権限、決裁の流れ、出勤簿への捺印や有給休暇の取得の状況でした。当事者の主張では、兼務役員の雇用実態証明書、役員分と従業員分に分かれた給料明細、社会保険料の控除の基礎、会計上の人件費の処理も挙げられていました。これらの資料を手元に残しておくことが考えられます。

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