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解任された・辞任を迫られている役員の方へ

役員解任・強制辞任トラブルに、
交渉戦略と裁判戦略を!

解任の正当な理由の有無を検討し、会社法第339条第2項による損害賠償請求等により、交渉と裁判の両面で対応します。

元日本最大の法律事務所出身

弁護士法人M&A総合法律事務所

代表弁護士土屋 勝裕

  • 初回で見通しをご説明
  • 最高裁判所逆転判決
    令和6年10月
  • 土日祝も電話受付
  • 日本全国対応
  • 資料がなくてもご相談可
  • ご相談の内容秘密厳守
弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕

まずは、お電話又はご相談のお申込みのページからご連絡ください

専門特化・解決実績残存任期分を請求

CHECK

役員の不当な解任・強制辞任にお困りではありませんか?!解任取消撤回及び金銭賠償請求を実行・実現します。

解任された日から時効が進行しています
取締役の解任に伴う損害賠償請求権は時効があります。解任を放置すると請求権が失われる場合があります。
「辞任届に署名してしまった」場合でも争える可能性があります。まずご相談ください。

解任・強制辞任では損害賠償だけではありません

損害賠償請求残存任期分の報酬相当額

役員退職慰労金支払拒否への対応

保有株式の問題価格・株式買取請求

地位確認・解任無効取締役地位の回復

競業避止義務不当な義務の排除

個人保証・債務保証解任後の保証責任整理

これらを一括して弁護士が対応します。まずはご相談ください。

当事務所の基本方針

可及的に裁判ではない方法で解決します

裁判は時間・費用・心理的負担が大きく、ご依頼者の誰もが望まないものです。当事務所は裁判によらない解決を実現する豊富な経験と独自のノウハウを有しており、可及的に裁判によらない役員の不当な解任・強制辞任の解決を目指します。

当事務所の主要勝訴実績

必要となれば最高裁判所まで戦い、逆転判決を勝ち取る実力があります

▍ 2024年(令和6年)10月|最高裁判所判決

株式買取請求権に関する事件で、最高裁判所の逆転判決を獲得

▍ 2026年2月|逆転判決

株式買取業者の行為を違法と認定する逆転判決を獲得

解任撤回・金銭賠償の獲得を交渉ベースで実現するのは、裁判でも勝ち切る実力があってこそ。オーナー会長・ワンマン社長を相手取っても、最後まで戦い抜きます。

CHECK

役員の不当な解任・辞任強要にお困りではありませんか!?

  • ワンマン会長に悪意で解任された!
  • ワンマン社長に意見をしたら解任された!
  • 身に覚えのない理由で一方的に解任された!
  • 支配株主が強圧的で一方的に解任された!
  • 捏造された理由で解任された!

役員の解任・辞任のご相談・お問い合わせはこちら

来訪・訪問どちらでもご相談可能です。今すぐお問い合わせください。

オーナー会長やワンマン社長による役員の不当な解任・強制辞任のお問い合わせはこちら!

担当者よりご連絡させて頂きます。

POINT

オーナー会長・ワンマン社長・支配株主の不適切行為に屈してはいけない!

オーナー会長・ワンマン社長・支配株主は非常に気まぐれです。取締役と言っても、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主に雇われている従業員と同じであり、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主の気分次第でいつでも解任されてしまいます。
オーナー会長・ワンマン社長・支配株主は、非常に自分勝手ですので、取締役との約束は一切守りません。役員報酬を上げるとの約束や代表取締役にするとの約束、株式を一部持たせるとの約束、も一切反故にされます。そのくせ、会社の業績が少しでも悪くなると、すぐに取締役の責任にします。オーナー会長・ワンマン社長・支配株主は、自分の責任を認めないのです。

また、直ぐに難癖をつけて、役員報酬を減額されたり、役員報酬の支給をストップされたり、役員退職慰労金をゼロにされたり、会社に立ち入り禁止にされたり、やりたい放題です。

役員報酬は勝手に減額できませんので、減額されたり支給をストップされた場合は、その支払請求裁判ができます。また、その他の約束についても、反故にされた場合は債務不履行ですので、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主に対して損害賠償請求ができます。さらに、役員退職慰労金についても、役員退職慰労金請求をすることができる場合が多くなっています。

また、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主に解任された取締役は、以下の通り、残存任期の役員報酬相当額の損害賠償請求ができます。

POINT

役員の不当な解任は権利濫用ですので解任撤回を求める必要があります!

役員の不当な解任は、不当な解任であり、許されるものではありません。役員の不当な解任は、権利濫用です。会社に対して解任撤回を求めます。まだ解任に至っていない場合は、厳正な申し入れをして取り止めさせるか、仮処分を使用する方法もあります。また、役員の不当な解任は権利濫用ですので不法行為に該当します。パワハラをされているという事情があるならパワハラを主張します。会社としても役員の不当な解任を自由にできるとは思っていませんので、ある程度話し合いになります。役員不当解任されてしまったということであれば、厳正に解任撤回を求めます。役員も従業員同様、生活がありますので、一方的に役員不当解任することが許されるわけではありません。役員任用契約その他これまでの中で会社や社長と合意した事項を整理し、その合意事項に基づき厳正に会社に対して請求します。会社としては自由に役員不当解任することはできません。権利濫用なのです。また、役員の解任のためには、株主総会を開催する必要があります。株主総会の過半数(会社によっては3分の2以上の賛成)が無いと解任できません。オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が勝手に解任できないのです。

POINT

残存任期の役員報酬相当の損害賠償請求をすることができます!

取締役を解任する場合は、株主総会の決議が必要です。
役員の解任のためには、株主総会を開催する必要があります。株主総会の過半数(会社によっては3分の2以上の賛成)が無いと解任できません。オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が勝手に解任できないのです。また、その取締役の解任について、「正当な理由」が無い場合は、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主はその責任を負わなければいけません。
「正当な理由」が無いにもかかわらず取締役を解任した場合、会社は、その取締役に対して、残存任期の役員報酬相当額を損害賠償しなければいけないのです(会社法339条2項)。

考えてみれば当然のことです。取締役と言ってもオーナー会長・ワンマン社長・支配株主の前では従業員とほとんど変わりません。取締役にも生活があり、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主によって、その地位を一方的に奪われる謂れはないのです。
「正当な理由」があるのでしたらやむを得ません。しかし、「正当な理由」が無いにもかかわらず、一方的に取締役を解任できるのであれば、株主の一存で役員を解任できるとすれば、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主の横暴が増長してしまいます。
会社法は、解任された取締役は、「正当な理由」がある場合を除き、残存任期の役員報酬相当額を損害賠償請求できるとして、取締役を可及的に保護しているのです。

「正当な理由」とは?!!

この取締役の解任の「正当な理由」はかなり限定的に解釈されており、取締役を解任することは容易ではない状態となっています。
「正当な理由」とは、「役員に職務を執行させるにあたり障害となるべき状況が客観的、合理的に生じた場合」をいうとされています。そもそも、会社の経営が上手く行くかどうかはその時の経済情勢によるのであり、最善の経営施策を取っていても経営が上手くゆくかなど分かるものではありません。
会社の経営に失敗したとか会社に損害を与えたということでは、解任の「正当な理由」に全く当たらないのです。
当然、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主に反論したからとか、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主とケンカしたから、などということは理由になりません。
オーナー会長・ワンマン社長・支配株主の言う通りに行なわないとか、オーナー会長・ワンマン社長・支配株主の不正を指摘したから、などということも理由になりません。

  1. 役員が特定の業者と癒着して不当に自己又は第三者の利益を図るなど、法令・定款に違反した行為が行われた場合
  2. 心身の故障により職務の遂行が困難となった場合
  3. 明らかな過誤を犯して会社に損害を与えたなど、明らかな能力不足が認められる場合

残存任期の役員報酬相当額とは?!!役員退職慰労金請求や非上場株式・少数株主の株式買取請求も可能!

では、「正当な理由」なく解任された取締役ですが、残存任期の役員報酬相当額を損害賠償請求できます。この「残存任期の役員報酬相当額」とは、残存任期が少ない場合は、確かに少額になってしまいます。しかし、中小企業の場合、取締役の任期が10年とされているケースも多く、10年もの残存任期の役員報酬相当額を請求できる可能性があります。また、残存任期が非常に短い場合であっても、取締役の継続が前提とされていた場合など、それ以上の残存任期の役員報酬相当額を請求できる可能性もあります。また、残存任期の役員報酬に拘るのではなく、役員退職慰労金について、強く請求してゆく選択肢もありますし、非上場株式・少数株主を保有している場合、非上場株式・少数株主の株式買取請求もできる可能性があります。

PROFILE

代表弁護士のご紹介

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕

代表弁護士土屋勝裕弁護士法人M&A総合法律事務所/東京弁護士会

役員の不当な解任・強制辞任に対し、役員報酬・役員退職慰労金・損害賠償請求の獲得を目的として関与する弁護士法人

こんにちは。
弁護士の土屋勝裕です。

私は、企業法務・M&A・企業間紛争の実務を通じて、取締役の解任・辞任強要と、役員報酬、役員退職慰労金、非上場株式・少数株式が複合する案件を多数取り扱ってきました。

この種の案件は、助言だけで終えると、「回収できない形」で既成事実が固定化することがあります。

当事務所は、正当な理由のない解任に対する損害賠償請求(残存任期の役員報酬相当額)
役員報酬の未払請求、役員退職慰労金の請求、必要に応じた解任の効力争い
を中核に、会社側に請求を提示し、回収に至るまで交渉・手続・訴訟を遂行します。

事案により、少数株式の買取請求等も併せて組み立て、金銭回収と退出の両面から結論を取りにいきます。

経歴

  • 長島・大野・常松法律事務所(当時、日本最大の法律事務所)で、共同株式移転による持株会社化、上場会社の敵対的買収防衛、大手企業の海外上場及び新規株式公開、不動産投資信託の上場等の案件に携わりました。
  • 慶應義塾大学ビジネス・スクールで学び、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学(トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生)して、M&Aファイナンス理論・株式価値評価理論・交渉理論を専攻しました。
  • 不動産投資信託の運用会社の外部委員・執行役員、投資ファンドの外部委員、小売企業の監査役を務めました。
  • 中国(上海)の法律事務所での執務を経て、弁護士法人M&A総合法律事務所を開設しました。
  • 2024年(令和6年)10月、株式買取請求権に関する事件で最高裁判所の逆転判決を得ました。

著書

  • 『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』の表紙『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令、令和7年10月発売、令和8年6月増刷、共著)
  • 『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』の表紙『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社、令和8年5月発売)
名称
弁護士法人M&A総合法律事務所
所在地
〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号森トラスト城山トラストタワー17階
地図を見る(Googleマップ) 事務所の概要・アクセス
電話
03-6435-8418 受付 8:00〜21:00(土日祝含む)
ご相談
来訪・訪問どちらでもご相談可能です。
POINT

問題の本質

以下のような状態に陥っている場合、「取締役の不当な解任・強制辞任」や「役員退職慰労金の不当不支給」の問題は、どうしようもないと思っていませんか。そのようなことが当然だと受け入れているのであれば、今すぐその考えを捨てて下さい。

  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が、意図的にトラブルを仕掛けてくる。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主への対応に、過大なエネルギーを費消している。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主から、一方的に解任又は強制退任させられ、会社を追い出された。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主との関係悪化により、取締役報酬を一方的に減額されている。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が、独断専行でワンマン体制を敷いている。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が、執拗かつ威圧的である。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が、会社を私物化し、会社資産を流用している。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が、会社資産を浪費している。
  • オーナー会長・ワンマン社長・支配株主が、会社資金を自己のもののように扱っている。
  • このような行為を許すことができない。
  • 法的に一矢を報いたいと考えている。
POINT

役員の不当な解任・強制辞任専門の弁護士法人に相談いただくと、このようなことができます

弁護士法人M&A総合法律事務所の弁護士においては、多数かつ難易度の高い企業法務案件を取り扱ってきていますので、以下の対応が可能です。

  • 役員退職慰労金の不当不支給に対する支払強制
  • 保有する非上場株式・少数株式の株式買取請求
  • 会社に対する会計帳簿等閲覧謄写請求
  • 役員の不当な解任・辞任強制に対する警告・抑止・防衛・差し止め
  • 役員の不当な解任・強制辞任に対する残存任期の役員報酬相当額の損害賠償請求・慰謝料請求
  • 会社に対する不当に減額された未払いの役員報酬の請求
  • オーナー会長・ワンマン社長に対するパワーハラスメントによる慰謝料請求
  • 会社やオーナー会長・ワンマン社長に対する慰謝料請求
  • 会社に対する株主代表訴訟の提起

諦める前に、一度ご相談ください

資料が十分に揃っていない段階であっても差し支えありません。

REASON

弁護士法人M&A総合法律事務所の強み!!

1役員の不当な解任・辞任強制に対する豊富な対応経験!

弁護士法人M&A総合法律事務所は、オーナー会長やワンマン社長・支配株主による役員の不当な解任・辞任強制に対する警告・抑止・防衛・差し止めを多数取り扱っており、役員退職慰労金の不当不支給や非上場株式・少数株式の株式買取請求等についても、これまでに蓄積してきた実務ノウハウを基に、適切な助言を行います。

2役員報酬の請求や役員退職慰労金の請求にも強い!

弁護士法人M&A総合法律事務所は、取締役をめぐるトラブル対応を専門としており、不当に減額された未払い役員報酬の請求や役員退職慰労金の請求に関する案件にも精通しています。これまでの多数の案件において、未払い役員報酬および役員退職慰労金の回収を実現してきました。
取締役の不当な解任・強制辞任への対応と併せて、その後に生じる金銭請求を見据えた対応を行うことにより、問題全体の解決を図ります。

3取締役の権利を実現するため 様々な手法を実践!

取締役をめぐる紛争に精通した弁護士が対応することで、個別事案の特性を踏まえた専門的かつ実務的な助言が可能となります。
役員の不当な解任・辞任強制や役員報酬・役員退職慰労金の請求にとどまらず、保有株式の適正価格での株式買取請求、会計帳簿閲覧謄写請求、株主代表訴訟、パワーハラスメントに基づく慰謝料請求など、取締役の権利確保に資する多角的な手法を実践します。

Q&A

よくあるご質問

取締役の解任を撤回させることはできますか?

取締役の解任を撤回させたいというご希望を持つ方は少なくありません。
一度株主総会決議により取締役が解任された場合、形式上は解任決議が存在しますが、撤回を目指す余地が完全に失われるわけではありません。
特に、解任手続に重大な瑕疵がある場合や、解任理由が社会通念上著しく不合理な場合には、解任決議の無効主張や地位確認を前提とした対応を検討することが可能です。また実務上は、残存任期の役員報酬相当額の損害賠償請求や役員退職慰労金の請求といった金銭請求を強く主張することにより、会社側が解任の正当性を維持できなくなり、結果として解任の撤回や復職を含む和解に至るケースもあります。そのため、金銭請求は撤回を断念するための手段ではなく、撤回を実現するための交渉戦略の一部として位置付けて検討することが重要です。

解任理由が曖昧ですが、争う余地はありますか?

解任理由が曖昧である場合は、むしろ争う上で好都合な状況といえます。
取締役の解任は株主総会決議により形式上は可能ですが、正当な理由がない解任については、不当な解任として責任を問うことができます。
解任理由が具体的に示されていない、又は抽象的な説明にとどまっている場合、正当な理由が存在しないことを自ら示しているとも評価でき、損害賠償請求を行う余地は高いといえます。そのため、残存任期の役員報酬相当額を含む損害賠償請求を強く主張するとともに、不当な解任であることを前提に解任の撤回を求めることが重要な対応方針となります。

辞任届に署名してしまいましたが、争うことはできますか?

辞任届に署名しているからといって、直ちに争えなくなるわけではありません。
強い圧力や威迫のもとで提出された辞任届は、実質的には強制辞任と評価されることがあります。このような場合には、形式は辞任でも実質は不当な解任として、損害賠償請求や撤回を求める対応が可能となることがあります。
辞任届の有無だけで判断せず、提出に至った経緯を精査することが重要です。

取締役を解任されてしまいましたがどうすればよいですか?

取締役を解任された場合、まず検討すべきは損害賠償請求です。
損害賠償の内容は、残存任期の役員報酬相当額に限られるものではなく、解任の経緯や態様によっては、その他の損害についても賠償請求を行うことが考えられます。また、損害賠償請求と並行して、解任の撤回や地位回復を正面から求めることも重要な対応方針となります。さらに、役員退職慰労金を請求できる可能性や、保有している非上場株式・少数株式について株式買取請求を行うことも含め、状況に応じて複数の手段を組み合わせて対応していくことが重要です。

解任された場合、残りの任期の報酬を請求できますか?

請求できる場合がございます。会社法は、正当な理由なく任期の満了前に解任された取締役は、会社に対し解任によって生じた損害の賠償を請求することができる旨を定めております。ここでいう損害には、残存任期中に得られたはずの報酬相当額が含まれると解されております。もっとも、職務の執行に関する不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があるなど、解任に正当な理由が認められる場合には、請求は認められません。したがって、解任の理由として挙げられた事実の有無が、実際の争点となります。

手続に要する期間は、どの程度ですか?

交渉により解決する場合は、一箇月から三箇月程度でございます。訴訟となる場合は、地方裁判所の第一審で一年から一年半程度を要することが通例でございます。いずれの場合も、株主総会の議事録、取締役会の議事録、報酬の決定に関する資料を早期に確保しておくことが、手続を円滑に進める前提となります。

費用はどの程度かかりますか?

事案の内容により異なります。着手金及び報酬金の基準は弁護士費用一覧のページに記載しております。初回のご相談において、費用の見込みを具体的にお示しいたします。ご納得をいただいたうえで着手いたします。

FEE

報酬の目安

役員の不当な解任・強制辞任の案件は、解任の経緯、役職、残存任期、役員報酬、役員退職慰労金、非上場株式・少数株式の有無等により、実行すべき手続と回収対象が変わります。

そのため、一律の定額報酬で画一的に扱うことは実務に合いません。
当事務所では、回収(獲得)目標と必要手段を確定したうえで、委任範囲に応じた報酬を提示します。

具体的な報酬体系は、弁護士費用一覧ページにてご確認ください。

※ 初期相談では、解任取消の可否、役員報酬・役員退職慰労金・損害賠償請求の回収見通し、想定される手続の範囲と費用感を併せてご説明します。ご納得いただかないまま業務を進める運用はしていません。

弁護士法人M&A総合法律事務所

〒105-6017 東京都港区虎ノ門4丁目3番1号森トラスト城山トラストタワー17階

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OFFICE

弁護士法人M&A総合法律事務所について

弁護士法人M&A総合法律事務所 事務所外観
森トラスト城山トラストタワー17階(東京都港区虎ノ門)
名称弁護士法人M&A総合法律事務所
所在地〒105-6017
東京都港区虎ノ門4丁目3番1号
森トラスト城山トラストタワー17階
代表弁護士土屋勝裕(東京弁護士会所属)
登録番号26775
電話番号03-6435-8418
受付時間:8:00~21:00(土日祝含む)
ご相談の方法来訪・訪問どちらでもご相談可能です。お電話や、ビデオ通話(ZOOM、Microsoft Teams)によるオンラインでのご相談にも対応しています。日本全国からのご相談に対応しています。
最寄り駅東京メトロ日比谷線神谷町駅徒歩3分(神谷町MTビル出口)
南北線六本木一丁目駅徒歩5分(泉ガーデン出口)
溜池山王駅徒歩9分(13番出口)

地図を見る(Googleマップ)事務所の概要・アクセス

ご相談の窓口(24時間受付・秘密厳守)

FLOW

ご相談から解決までの流れ

  1. ご相談のお申込みお電話(受付 8:00〜21:00、土日祝含む)、相談申込のフォーム又はLINEでお申し込みください。
  2. ご相談解任・辞任の経緯、議事録、役員報酬の額が分かる資料、会社とのやり取りなど、お手元の資料をお持ちください。
  3. 見通しと方針のご説明解任の正当な理由の有無、請求できる損害の範囲、交渉と訴訟のどちらで進めるかの見通しをご説明します。
  4. 通知と交渉弁護士名義の内容証明郵便で請求し、会社と交渉します。
  5. 訴訟と回収交渉で解決しない場合は訴訟を提起し、回収まで対応します。

役員の解任・辞任の総合案内の詳しい流れは、こちらをご覧ください

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    KNOWLEDGE

    取締役(役員)解任の手続き・リスクの基礎知識

    取締役や役員として会社に貢献してきたにもかかわらず、ある日突然「解任する」「辞任届を出してほしい」と告げられると、冷静でいることは簡単ではありません。「自分に何か落ち度があったのか」「役員退職慰労金はもらえるのか」「今後の生活やキャリアはどうなるのか」と、不安や疑問が一気に押し寄せるのも当然です。

    しかし、取締役の解任には厳格な法律上のルールがあります。正当な理由のない解任は権利の濫用であり、許されるものではありません。手続きに不備がある場合は解任決議そのものが無効になることもありますし、正当な理由なく解任された場合には、残存任期分の役員報酬相当額の損害賠償請求や、解任の撤回を求めることも可能です。

    主として株式会社の取締役の解任について、会社法339条を中心に、基本的なルール、解任手続きの流れとそのチェックポイント、「正当な理由」の考え方、不当に解任された場合の対処法を解説します。会社法上の「役員」には取締役のほか監査役や会計参与なども含まれますが、解任の要件や手続きは一律ではありません。そのため、以下では特に断りのない限り、取締役の解任を前提に説明します。不当な解任を受けた方や解任を示唆されている方はもちろん、解任手続きのリスクを確認しておきたい企業の方にも参考となる内容です。

    取締役(役員)の解任とは?退任・辞任との違い

    取締役がその地位を離れる場面には、解任、辞任、任期満了による退任などがあります。いずれも結果として取締役でなくなる点は共通していますが、誰の意思で地位を失うのか、どのような手続きが必要か、損害賠償が問題になるかは大きく異なります。この違いを正しく理解しておかなければ、自分の置かれている状況を正確に判断することができません。

    解任・辞任・退任の定義と法的な位置づけ

    「解任」とは、株主総会の決議によって、取締役の意思にかかわらずその地位を失わせることです。会社法339条1項は、「役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる」と定めています。そのため、任期の途中であっても、株主総会の決議があれば取締役を解任すること自体は可能です。

    「辞任」とは、取締役自身の意思表示によって地位を離れることです。会社と取締役との関係は会社法330条により委任に関する規定に従うため、取締役はいつでも辞任できます。辞任の効力は、辞任の意思表示が会社に到達した時点で生じ、会社側の承諾は必要ありません。

    これに対し、「退任」は、取締役がその地位を離れることを広く指す言葉として用いられます。任期満了による退任、辞任による退任、解任による退任、死亡による退任などがこれに含まれます。したがって、「退任」は「辞任」や「解任」と対立する概念ではなく、それらを含む上位概念として使われる場合があります。本記事では、任期満了によって地位を離れる場合は、必要に応じて「任期満了退任」と表記します。

    登記では、原因として「解任」「辞任」「任期満了」などが区別して記載されます。とくに解任は、会社の判断で地位を失ったことを示す記録であるため、取締役にとっては社会的信用にも関わる問題です。解任を受けた場合、その手続きや理由が適正であったかどうかを確認し、不当な解任であれば撤回や損害賠償を検討すべきです。

    なお、取締役と会社の関係は委任契約であるため、取締役としての解任の効力や会社法339条2項に基づく損害賠償を争う場面では、従業員の不当解雇の場面で利用できる労働審判を用いることはできません。これらを争う場合には、通常の民事訴訟や仮処分の手続きによることになります。手続きの選び方によって結果が大きく変わる場面もありますので、解任を受けた段階で早めに弁護士にご相談いただくことが望まれます。

    「辞任を迫られた」場合は解任と同じ扱いになるのか

    会社側から「辞任届を出してほしい」と求められることは少なくありません。辞任が有効に成立すれば、形式上は本人の意思による退任となり、登記上の原因も「辞任」となります。そのため、会社側が解任決議やその後の紛争を避ける目的で、辞任を促すケースがあります。

    もっとも、辞任は本人の自由な意思に基づくものでなければなりません。辞任を拒否すれば報酬を下げると告げられた、会社に居づらくなるような圧力を受けた、解任を示唆されたうえで辞任届への署名を求められたといった事情がある場合には、その意思表示の有効性が問題になることがあります。こうした強圧的な状況下での辞任は、実質的に会社側による強制辞任であり、不当な解任と同様に扱われる可能性があります。

    形式上は辞任届を提出していても、実際には解任を避けるために辞任を強いられたにすぎないのか、それとも本人が十分理解したうえで自発的に辞任したのかによって、後に取り得る法的主張は変わります。辞任を求められた段階で安易に署名するのではなく、メール、書面、録音などの記録を残しながら、弁護士に相談して自身の権利や法的な選択肢を確認することが重要です。

    取締役(役員)解任の法律上のルール【会社法339条】

    取締役の解任を理解するうえで中心となるのが、会社法339条の規定です。この条文は、株主総会による解任の自由を認める一方で、任期途中で地位を失う取締役の利益にも配慮し、一定の場合には損害賠償請求を認めています。解任される側にとっては、自分の権利がどのように保護されているかを把握するための基本条文です。

    株主総会の普通決議でいつでも解任できる(会社法339条1項)

    会社法339条1項は、役員及び会計監査人はいつでも株主総会の決議によって解任できると定めています。「いつでも」とある以上、任期の途中であっても、株主総会の決議があれば取締役の解任は可能です。

    取締役の解任決議は、原則として普通決議によります。具体的には、会社法341条により、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その出席株主の議決権の過半数で可決されます。定款で定足数を引き下げることはできますが、3分の1未満にすることはできません。

    つまり、多数派株主が賛成すれば、取締役本人の意思にかかわらず解任は成立します。しかし、だからといってオーナー会長やワンマン社長が自由に解任できるわけではありません。「解任できること」と「解任が正当であること」は全く別の問題であり、正当な理由のない解任は権利の濫用として損害賠償の対象となります。

    正当な理由がなければ損害賠償請求が可能(会社法339条2項)

    会社法339条2項は、解任された取締役は、「正当な理由」がある場合を除き、会社に対して解任によって生じた損害の賠償を請求できると定めています。この規定は、株主総会に広い解任権限を認める一方で、任期途中で地位を失った取締役の期待利益を保護するためのものです。

    ここでいう損害として典型的に問題になるのは、残存任期中に受け取れたはずの役員報酬相当額です。たとえば、任期2年の取締役が就任から6か月で解任された場合、残り1年6か月分の役員報酬相当額が損害として認定される可能性があります。中小企業では取締役の任期を10年としている会社も多く、その場合の賠償額は非常に大きなものとなります。

    つまり、オーナー会長やワンマン社長の一存で取締役を解任すれば、会社は高額な損害賠償責任を負うおそれがあるということです。不当に解任された取締役にとっては、この規定が自身の権利を守るための重要な根拠となります。

    累積投票・種類株主総会で選任された取締役の解任は要件が異なる

    すべての取締役が通常の普通決議で解任できるわけではありません。たとえば、累積投票により選任された取締役を解任する場合には、会社法341条ではなく、会社法309条2項7号に基づく特別決議が必要になります。

    また、種類株主総会の決議によって選任された取締役については、その種類株主総会の決議によって解任するのが原則です。選任の方法に対応した解任手続きを踏まなければ、決議の効力が争われるおそれがあります。

    こうした例外に該当するにもかかわらず、通常の普通決議で解任が行われた場合には、決議自体が無効または取消しの対象となる可能性があります。解任を受けた取締役としては、自分がどのような経緯で選任されたのかを確認し、解任決議の手続きに問題がなかったかを検証することが大切です。

    取締役(役員)の解任手続きの流れと被解任者が確認すべきポイント

    取締役の解任は、株主総会決議を中心に進みます。しかし、招集手続き、議案の記載、議事録、登記といった一連の流れのどこかに問題があると、決議取消しの対象となることがあります。以下では手続きの流れを確認するとともに、解任された側がチェックすべきポイントを示します。

    ①取締役の最低人数・株主構成の事前確認

    解任が行われる前提として、まず取締役の人数と株主構成を把握しておくことが重要です。

    取締役会設置会社では、取締役は3名以上でなければなりません。解任によって3名を下回るおそれがある場合、会社側は後任の選任も同時に検討しなければならず、手続きが複雑になります。

    次に、株主構成の正確な把握も重要です。中小企業では、設立時の経緯や親族間の名義のままになっている事情から、名義株の問題や相続未了の株式が残っていることがあります。解任されそうな取締役としては、まず自社の株主構成を確認し、解任決議が成立するために必要な議決権数を把握してください。自分の保有株式や友好的な株主の議決権を合計すれば、解任決議を阻止できる場合もあります。

    ②株主総会の招集手続き

    株主総会は、原則として取締役が招集します。取締役会設置会社では、まず取締役会で株主総会の日時、場所、議題などを決定し、その決定に基づいて取締役が招集手続きを行います。

    招集通知の記載事項と発送期限

    株主総会の招集通知には、開催日時、場所、目的事項などの法定事項を記載しなければなりません。公開会社では原則として総会日の2週間前まで、非公開会社では原則として1週間前までに通知する必要があります。書面投票や電子投票を採用しない非公開会社では、定款によりこの期間を短縮できる場合もあります。

    解任を議題とする場合には、その旨を招集通知に明記し、どの取締役の解任を付議するのかを特定して記載しなければなりません。逆にいえば、招集通知にこれらの記載がなかったにもかかわらず解任決議が行われた場合や、通知期間が法定の期限を満たしていなかった場合には、手続き上の瑕疵として決議取消しを争える余地があります。解任を受けた方は、招集通知の内容と発送時期を必ず確認してください。

    解任対象の取締役に議決権はあるか

    解任対象の取締役が株主でもある場合、その株主総会では、株主として議決権を行使できます。会社法は、取締役の解任を決議する株主総会において、解任対象者の議決権を当然に排除していません。そのため、自身が相当数の株式を保有している場合、解任決議を否決できる可能性があります。

    もっとも、取締役会設置会社で、株主総会に解任議案を付議することを取締役会で決議する場面は別です。この場面では、解任対象の取締役が特別の利害関係を有する取締役として、取締役会の決議に加われないと判断されることがあります。株主総会での議決権行使と、取締役会での議決参加の可否は同じではないため、混同しないことが大切です。

    ③株主総会での解任決議(普通決議)

    株主総会当日、解任議案を上程し、必要な賛成を得られれば解任は成立します。決議要件は前述のとおりであり、通常は会社法341条に従った普通決議によります。

    解任理由の説明は、法律上、決議の成立要件ではありません。しかし、後に会社法339条2項に基づく損害賠償請求が問題になることを考えると、会社側は解任に至った経緯を議事録に残しておくのが通常です。

    解任された取締役としては、株主総会がどのように進行したか、出席した株主の議決権数は定足数を満たしていたか、賛成票は過半数に達していたかを議事録で確認してください。定足数を満たしていなかった場合や、議決権数の算定に誤りがあった場合には、決議自体の有効性を争うことが考えられます。

    また、株主総会の場で突然解任の動議が出され、招集通知に記載されていない議題として決議されたような場合には、手続き上の瑕疵を指摘できることがあります。

    ④株主総会議事録の作成

    解任決議を行った株主総会については、会社法318条に基づき議事録を作成しなければなりません。議事録には、決議の内容、出席株主の議決権数、賛否の状況、議長などを正確に記載します。

    議事録は登記申請の際に必要となるだけでなく、後に決議取消しや損害賠償請求が争われた場合の重要な証拠にもなります。解任された取締役としては、議事録の写しの交付を会社に請求し、記載内容に不備や事実と異なる点がないかを確認することが大切です。

    ⑤役員変更登記の申請

    解任の効力は株主総会決議の時点で生じますが、登記上の変更は別途申請が必要です。解任の日から2週間以内に、法務局に対して役員変更登記を申請しなければなりません。

    この登記を怠ると、会社や代表者が過料の対象となることがあります。解任された側としても、登記が正しく行われているか、登記の原因が事実と一致しているかを確認しておく必要があります。

    ⑥解任通知書の作成・送付

    法律上、解任通知書の送付が必須とされているわけではありません。しかし、解任された取締役に対して、解任決議が行われた日、解任の事実、引継ぎ、備品返還、社内手続きなどを明示した通知書が送られてくることがあります。

    通知書を受け取った場合には、その内容を保管してください。通知書に記載された解任日や解任理由は、後に損害賠償請求や決議取消しを争う際の重要な証拠となります。また、口頭のみで解任を告げられ、通知書が送られてこない場合には、会社側に書面での通知を求めるか、やり取りの内容をメモや録音で記録に残すことを推奨します。

    取締役(役員)解任における「正当な理由」とは

    会社法339条2項の損害賠償請求において、中心となるのが「正当な理由」の有無です。解任自体は株主総会決議で可能ですが、正当な理由がなければ、会社は解任された取締役に対して損害賠償責任を負います。裁判例では、この正当な理由はかなり限定的に解釈される傾向にあり、オーナー会長やワンマン社長の主観だけでは正当な理由として認められません。

    正当な理由が認められやすいケース

    「正当な理由」とは、会社が当該取締役に引き続き職務を委ねることができないと判断することもやむを得ないといえる客観的事情を指すと考えられています。裁判例でも、会社側の主観的な不満や感情的な対立ではなく、客観的に見て相当な理由が必要とされています。

    法令・定款違反行為があった場合

    取締役が法令や定款に違反する行為をした場合には、正当な理由が認められやすい傾向があります。たとえば、会社資金の私的流用、架空取引、粉飾決算への関与、競業避止義務違反、利益相反取引に関する不適切な行為などが問題となり得ます。

    このような行為は、取締役としての忠実義務や善管注意義務にも関わる重大な問題です。会社の信用や財産に現実の悪影響を及ぼしている場合には、正当な理由の存在が肯定されやすくなります。

    ただし、解任された側としては、会社が主張する「法令違反」が事実に基づくものかどうかを確認する必要があります。オーナー会長やワンマン社長が事実を歪曲し、あるいは存在しない違反を捏造して解任の口実としているケースも存在するからです。

    心身の故障により職務遂行が困難な場合

    病気や障害などにより、継続的に職務を遂行することが困難になっている場合も、正当な理由となる可能性があります。ただし、一時的な体調不良だけで直ちに正当な理由になるわけではありません。

    重要なのは、職務への支障の程度、回復の見込み、代替措置の有無などです。取締役として期待される職務を現実に果たせない状況が継続しているかどうかが判断材料になります。

    職務への著しい不適任(経営能力の著しい欠如)の場合

    取締役としての能力が著しく不足し、会社運営に具体的な悪影響を及ぼしている場合も、正当な理由が認められる余地があります。ただし、この要件のハードルは高く、単に期待した成果を上げられなかったというだけでは足りません。そもそも会社の経営はその時の経済情勢に左右されるものであり、結果として業績が悪化したことが直ちに取締役個人の能力不足を意味するわけではないからです。

    正当な理由が認められるためには、任された事業がほとんど機能していない、経営判断に重大な欠陥がある、管理能力の不足によって会社に継続的な不利益が生じているといった事情が、客観的な証拠によって裏付けられる必要があります。

    正当な理由が認められにくいケース(不当な解任となりうるケース)

    反対に、会社側の主観や感情にとどまる理由では、正当な理由は認められにくいと考えられます。こうした場合には、不当に解任されたとして、会社法339条2項に基づく損害賠償が認められる可能性があります。不当な解任は権利の濫用であり、許されるものではありません。

    経営方針の相違・主観的な信頼関係の喪失

    「経営方針が合わない」「考え方が違う」「一緒にやっていけない」といった事情は、解任のきっかけにはなり得ても、それだけで正当な理由になるとは限りません。経営方針の対立は、会社経営の場面では珍しくないからです。

    とくに中小企業では、オーナー会長やワンマン社長に意見をしただけで対立が深まり、感情的に解任に進むことがあります。しかし、オーナー会長やワンマン社長に反論したから、不正を指摘したからといった事情は、正当な理由には到底当たりません。客観的に見て法令違反や著しい不適任が認められない限り、単なる不和や意見の相違を理由とする解任は不当な解任に該当する可能性が高いです。

    大株主の好みや「より適任な者がいる」という理由

    「もっと信頼できる人物に入れ替えたい」「別の人の方が優秀だと思う」といった事情も、原則として正当な理由にはなりません。取締役の地位は、オーナー会長やワンマン社長の個人的な好みだけで奪われるべきものではないからです。

    もちろん、株主総会としてはそうした判断をして解任決議をすること自体は法律上可能です。しかし、会社法339条2項との関係では、それだけでは損害賠償責任を免れる事情にはなりにくいと考えられます。解任された取締役としては、このような不当な理由による解任に対しては、損害賠償請求や解任の撤回を求めて毅然と対応すべきです。

    経営判断の失敗を理由とする解任の境界線

    経営判断には一定のリスクが伴います。そのため、結果として失敗したからといって、直ちに正当な理由があるとはいえません。重要なのは、判断の過程が合理的であったかどうかです。

    最善の経営施策を取っていても経営が上手くいくかなど分かるものではありません。十分な情報収集や検討を経て判断したにもかかわらず、結果が想定どおりにならなかったという場合には、正当な理由は認められにくいでしょう。他方で、調査をほとんどせずに多額の投資を決めた、明らかな危険を無視した、社内手続きを経ずに重要な意思決定をしたといった事情があれば、判断過程そのものに問題があるとして、正当な理由が認められる可能性があります。

    「正当な理由」の判断を示す代表的な裁判例

    ここでは、正当な理由が肯定された例と否定された例を、それぞれ代表的な裁判例に絞って取り上げます。

    粉飾決算への関与を理由とする解任が肯定された例

    東京地方裁判所平成25年11月26日判決は、粉飾決算に関与していた取締役の解任について、正当な理由があると判断しました。裁判所は、粉飾決算が会社債権者や投資家の判断を誤らせる行為であり、会社が閉鎖会社であって現実の損害が発生していない場合であっても、対外的信用への悪影響は否定できないとし、解任理由としての合理性を肯定しました。

    心身の故障を理由とする解任が肯定された例

    最高裁判所昭和57年1月21日判決は、持病の悪化により代表取締役を交替した後、臨時株主総会で取締役からも解任された事案について、解任に正当な理由がないとはいえないと判断しました。取締役としての職務遂行を客観的に継続することが困難な状態にあったことが、正当な理由の評価に結びついたものと読み取れます。

    事業遂行能力の欠如を理由とする解任が肯定された例

    横浜地方裁判所平成24年7月20日判決は、ボウリング事業を展開する会社において、当該事業のために選任された取締役が、ほとんど売上を上げられず、会社に第三者への顧問料支払を継続させるなどしていた事案について、解任の正当な理由があると判断しました。取締役として報酬や経費の支出を受けていた以上、事業の収益を上げる責任があったにもかかわらず、その責任を果たせなかった点が重視されています。

    投機的取引による損害発生を理由とする解任が肯定された例

    広島地方裁判所平成6年11月29日判決は、株式の信用取引やインパクトローンといった投機性の高い取引を独断で進め、会社に多額の損失を与えた取締役の解任について、正当な理由を肯定しました。本来の業務では必要とされない高リスク取引に自ら関与した点が、経営判断として許容される範囲を超えたと評価されました。

    経営方針の相違を理由とする解任が否定された例

    東京地方裁判所平成25年5月30日判決は、重要取引先の倒産への対応や営業方針の変更について株主と見解が対立したことを背景に解任された取締役の事案において、単に株主と取締役との間で経営方針が異なるというだけでは正当な理由とはいえないと判断しました。所有と経営の分離という株式会社の基本原則からすれば、会社の所有者である株主が経営判断に不当に干渉することは認められないという考え方が示されています。

    他の役員との不和を理由とする解任が否定された例

    東京地方裁判所昭和57年12月23日判決は、代表者との折り合いが悪くなり社内で孤立していた取締役が解任された事案について、孤立の原因が当該取締役のみにあるとはいえず、正当な理由は認められないと判断しました。取締役個人の人格や人間関係を中心的な理由とする解任は、正当な理由として受け入れられにくい傾向にあります。

    「正当な理由」をめぐる近時の裁判例の傾向

    「正当な理由」をめぐっては、会社側がどの時点でどこまで事情を把握していたかも争点になることがあります。

    解任時に会社が認識していなかった事由を後から主張できるか

    従来、正当な理由は解任決議の時点で会社が認識していた事情に限られるのかが問題とされてきました。この点については、解任時に客観的に存在していた事情であれば、会社がその時点で認識していなかったとしても、後に正当な理由として主張できるとした裁判例があります。

    このような考え方に立つと、会社側は解任時に挙げていなかった事情を、後から追加的に主張することが可能になります。オーナー会長やワンマン社長が解任後に理由を後付けしてくるケースも想定されるということです。

    そのため、解任された側としては、会社が後からどのような理由を持ち出してくるかも見据え、自身の職務遂行に問題がなかったことを示す資料を早い段階で確保しておくことが極めて重要です。日頃から職務に関する記録を残し、解任を示唆された段階で速やかに証拠の保全を始めてください。

    役員の解任・辞任でお困りの方は、お早めにご相談ください。

    取締役(役員)解任に伴うリスクと注意点

    取締役の解任は、会社法上は株主総会決議によって可能です。しかし、正当な理由のない解任は権利の濫用であり、会社側には損害賠償請求をはじめとする多大なリスクが伴います。解任された取締役としては、以下のリスクの内容を理解し、自身が請求できる権利の全体像を把握しておくことが大切です。

    損害賠償請求のリスク(残存任期分の報酬相当額)

    正当な理由なく取締役を解任した場合、解任された取締役は会社法339条2項に基づき損害賠償を請求できます。典型的な損害は、残存任期分の役員報酬相当額です。

    たとえば、月額報酬が100万円で残りの任期が1年ある場合には、少なくとも1,200万円程度が問題となり得ます。中小企業では取締役の任期を10年としているケースも多く、その場合は数千万円から億単位の賠償額になる可能性もあります。また、残存任期が短い場合であっても、取締役の継続が前提とされていた事情がある場合には、それ以上の期間に相当する役員報酬額を請求できる可能性もあります。

    損害賠償の範囲─役員退職慰労金・賞与は含まれるか

    損害賠償の中心は残存任期分の役員報酬ですが、それ以外に役員退職慰労金や賞与が含まれるかが争点になることがあります。

    役員退職慰労金については、支給基準が内規や慣行としてある程度確立しており、支給が相当程度見込まれていたといえる場合には、損害の一部として主張されることがあります。他方で、役員退職慰労金は通常、株主総会決議を経て支給されるものであり、支給の有無や金額が未確定である場合には、損害として認められにくいこともあります。

    賞与についても同様で、支給時期、支給基準、これまでの実績などから、解任されなければ受け取れた蓋然性が高いといえるかが問題になります。これらは個別事情によって判断が分かれるため、弁護士に相談のうえで請求の見通しを確認することを推奨します。

    なお、会社法339条2項に基づく損害賠償の対象として、解任による精神的苦痛に対する慰謝料や、請求手続に要した弁護士費用が含まれるかについては、原則として損害には当たらないとする考え方が一般的です。慰謝料については、解任の態様が著しく常軌を逸しており、人格的利益の侵害として別途不法行為が成立するような場合に限って、会社法339条2項とは別の請求根拠で認められる余地が残されるにとどまります。弁護士費用についても、不法行為に基づく損害賠償請求の中で一部が認められる場面はあるものの、会社法339条2項の解任に伴う損害としては直接の対象になりにくいと理解されています。慰謝料や弁護士費用は一律に請求できるものではなく、解任の経緯がどの程度悪質であったかによって判断が分かれる部分ですので、請求の組み立て方について弁護士と協議することが重要です。

    損害賠償金の税務上の取り扱い(一時所得)

    会社法339条2項に基づく損害賠償金の税務上の扱いも確認しておく必要があります。名古屋国税局の文書回答事例では、この損害賠償金は給与所得ではなく一時所得に該当し、源泉徴収は不要とされています。

    もっとも、これは個別の事前照会に対する文書回答であり、すべてのケースで当然に同じ結論になるとまではいえません。実際の処理に当たっては、支払の名目や合意内容、解決金の内訳も踏まえて、税理士とあわせて確認することが望ましいです。

    使用人兼務役員の場合は不当解雇リスクにも注意

    中小企業では、取締役であると同時に、営業部長や工場長など、従業員としての地位も併せ持つ方がいます。このようなケースは、使用人兼務役員、または従業員兼務取締役と呼ばれることがあります。

    この場合、取締役としての解任と、従業員としての解雇は別の問題です。株主総会で取締役を解任しても、それだけで当然に従業員としての地位まで失われるわけではありません。従業員としての地位を失わせるには、別途、労働契約法16条などに照らして有効な解雇であることが必要です。

    会社側が取締役の解任と同時に従業員としても退職扱いにしてきた場合には、不当解雇として労働審判や訴訟を提起できる可能性があります。取締役の解任を受けた際は、自分に従業員としての地位が残っているかどうかも確認し、安易に従業員としての退職にも応じないよう注意してください。

    取締役の欠員が生じる場合の後任選任の問題

    取締役会設置会社では、取締役は3名以上でなければなりません。そのため、解任によって法定または定款上の員数を下回るおそれがある場合には、会社側は後任の選任もあわせて検討する必要があります。

    ここで注意したいのは、会社法346条1項が権利義務を残すのは、任期満了または辞任によって退任した役員であるという点です。解任された取締役が、当然に権利義務取締役としてとどまるわけではありません。したがって、解任によって員数不足が生じる場合に、解任された取締役がそのまま後任就任まで地位を維持するという理解は正確ではありません。

    このような事態が生じた場合、会社側は解任と同時に後任取締役の選任決議を行うか、状況によっては裁判所に一時取締役の職務を行うべき者の選任を申し立てる必要が出てきます。

    解任後も残る個人保証・連帯保証の問題

    中小企業の取締役は、在任中に、会社の金融機関借入れや取引先との継続的契約について、個人として連帯保証人になっていることが少なくありません。こうした保証契約は、取締役を解任されたからといって自動的に消滅するわけではありません。保証契約そのものは保証人個人と金融機関・取引先との間の契約ですので、会社内部で取締役の地位を失ったとしても、保証人としての責任はそのまま残ります。

    解任された役員にとって、この点は極めて深刻な問題です。会社経営に関与できる立場を失ったにもかかわらず、会社の債務や取引上の義務について保証責任だけが残ってしまうと、その後に会社が資金繰りに行き詰まった場合、解任された元取締役が個人財産で支払を強いられる事態になりかねません。

    このような不均衡を是正するためには、解任された段階で、保証契約の相手方である金融機関や取引先に対し、保証人からの離脱や保証人の交代を申し入れることが考えられます。もっとも、これらの申入れは相手方の承諾が必要であり、会社側の協力がなければ進まない場合もあります。会社が非協力的な姿勢を示す場合には、損害賠償請求や役員退職慰労金の交渉と並行して、保証からの離脱を和解条件の一部として織り込んで交渉することが現実的な進め方となります。

    また、解任された役員が会社に対して立替金を有している場合や、会社名義の資産を業務上使用してきた場合など、金銭的な精算事項が残っているケースもあります。こうした精算事項も、一括して扱うことが望ましく、損害賠償請求や株式買取請求と併せて、交渉や手続きの対象に含めて検討する必要があります。

    解任を避けて退任させようとする会社の手口と、その問題点

    会社は、損害賠償の負担を避けるために、解任以外の方法であなたを退任させようとすることがあります。たとえば、任期満了まで待って再任しないという方法や、辞任を勧告して自発的な辞任を促すという方法が、これに当たります。

    しかし、辞任勧告の過程で事実上の圧力が加えられた場合には、辞任の有効性が争われることがあります。辞任を求められている方は、その場で安易に応じるのではなく、弁護士に相談したうえで対応を検討してください。

    不当解任された取締役(役員)が取るべき対処法

    不当に解任された、あるいは解任されそうな状況にある取締役には、取り得る手段がいくつかあります。不当な解任は権利の濫用であり、泣き寝入りする必要はありません。解任の撤回を求めることも、金銭的な補償を求めることも可能です。どの手段を選ぶかは、手続き上の問題があるのか、正当な理由が争点なのか、株式保有の有無はどうかによって異なります。

    解任されそうな段階での対処法

    解任前の段階では、まだ選択肢が残されています。会社側の動きを把握し、必要な証拠を集め、法的な立場を確認することが重要です。

    株主構成の確認と解任決議の阻止

    まず確認すべきは、株主構成と議決権の状況です。解任決議は通常、会社法341条の要件による普通決議であるため、誰がどれだけ議決権を持っているのかは決定的に重要です。

    自分の保有株式の数だけでなく、親族や共同経営者など、どの株主がどの立場にあるかを把握する必要があります。定足数や出席見込みも踏まえれば、そもそも解任議案が可決される見込みがどの程度あるかを見通しやすくなります。議決権の過半数を確保できれば、解任決議そのものを阻止できます。

    名義株の有無を確認する

    中小企業では、設立時に便宜上名義を借りていた株式がそのまま残っていることがあります。また、相続が発生した後も名義書換がされないままになっていることがあります。

    こうした株式の扱いは、議決権の帰属や決議の有効性に影響することがあります。株主名簿と実際の権利関係が一致していない疑いがある場合には、早めに弁護士に相談し、どのような主張が可能かを検討することが大切です。

    損害賠償請求の予告による牽制

    解任に正当な理由がないと考えられる場合には、会社側に対して、解任された場合には会社法339条2項に基づく損害賠償請求を検討していることを書面で伝える方法も有効です。

    会社側が賠償リスクを具体的に認識すれば、解任を見送る、条件交渉に応じる、任期満了まで待つといった対応に変わることもあります。

    ただし、文面やタイミングによっては感情的対立を深めることもあるため、弁護士と相談のうえで進めることが望ましいです。

    解任された後の対処法

    すでに解任決議が行われた後でも、打つ手がないわけではありません。解任の撤回を求める方法、手続き上の瑕疵を争う方法、金銭的補償を求める方法を、状況に応じて組み合わせて対応します。

    株主総会決議の取消しを争う(決議取消の訴え)

    株主総会の招集手続きや決議方法に法令または定款違反がある場合には、会社法831条に基づき、決議取消しの訴えを提起できることがあります。たとえば、招集通知の期間が不足していた、議題として解任が記載されていなかった、定足数を満たしていなかったなどの事情が考えられます。

    この訴えは、決議の日から3か月以内に提起しなければなりません。期間を過ぎると争えなくなるため、解任後はすぐに招集通知や議事録などの資料を確認し、弁護士に相談して訴訟の可否を検討する必要があります。

    取締役の地位を仮に定める仮処分の申立て

    解任決議の無効や取消しを訴訟で争う場合、判決が確定するまでには通常、相当な時間を要します。その間に会社側が後任取締役を据え、業務執行や登記を進めてしまうと、仮に勝訴判決を得たとしても、取締役として会社に復帰することが事実上困難になりかねません。このような不利益を避けるために利用できるのが、民事保全法23条2項に基づく仮の地位を定める仮処分です。

    この仮処分が認められると、本案判決の確定前であっても、裁判所の決定によって取締役としての地位が仮に認められ、会社に対して取締役として扱うよう求めることができます。仮処分が発令されるためには、次の二つの要件をいずれも満たす必要があります。

    一つ目は、被保全権利の存在です。典型的には、取締役地位確認の訴え、解任決議無効確認の訴え、後任取締役の地位不存在確認の訴えなどを本案として想定します。本案で勝訴できる見込みが一定程度あることを、疎明資料によって示さなければなりません。

    二つ目は、保全の必要性です。本案の勝訴見込みだけでは足りず、仮処分を得なければ回復困難な損害が生じることを、会社側の事情まで含めて具体的に主張する必要があります。たとえば、会社の対外的信用が解任された取締役個人の信用に依拠している場合、後任取締役に経営の遂行能力が認められない場合、会社資産が不適切に流用されるおそれがある場合などが、保全の必要性を基礎づける事情として考えられます。

    仮処分は、本案訴訟の結果を待たずに取締役としての扱いを取り戻すことができる対応手段ですが、その性質上、裁判所の判断は厳格です。申立てに当たっては、提出書類の選定や主張構成が結果を大きく左右しますので、不当な解任の事案に詳しい弁護士と準備を進めることをお勧めします。

    会社法339条2項に基づく損害賠償請求

    解任に正当な理由がなかった場合には、会社に対して損害賠償を請求できます。請求の中心は、残存任期分の役員報酬相当額です。

    この請求は、解任決議そのものを無効にするものではなく、任期途中で地位を失ったことによる不利益を金銭で回復する制度です。請求に当たっては、定款、株主総会議事録、取締役の報酬に関する決議書、メール、やり取りの記録などが重要になります。任期や役員報酬額を裏付ける資料が揃っているかどうかで、請求の見通しは大きく変わります。

    役員退職慰労金(役員退職金)の請求

    解任された取締役が役員退職慰労金を請求できるかどうかは、会社の規程やこれまでの支給慣行によります。過去の取締役に対して一定の基準で支給されてきた実績があり、自分にもその適用が及ぶといえる場合には、請求を検討できる余地があります。

    もっとも、役員退職慰労金は通常、株主総会決議によって具体的内容が定められるため、会社側が支給に応じないこともあります。その場合には、支給基準の存在や他の役員に対する支給実績を踏まえ、請求の可否を判断することになります。役員退職慰労金の不当不支給については、弁護士法人M&A総合法律事務所でも多くの支払請求案件を取り扱っています。

    保有株式の処理が問題になる場合

    解任された取締役が株式を保有していることは珍しくありません。しかし、解任されたことだけを理由に、当然に会社法上の株式買取請求権が発生するわけではありません。

    そのため、解任後に株式を手放したい場合には、まず任意の譲渡交渉が中心になります。譲渡制限株式であれば譲渡承認の問題もありますし、会社が自己株式として取得する場合には、会社法上の手続きや財源規制に注意が必要です。

    また、会社の支配関係や株式の内容によっては、株式併合、全部取得条項付種類株式、特別支配株主による株式等売渡請求など、別の制度が問題になることもあります。非上場株式や少数株式を保有している場合には、適正な価格での株式買取請求を行うことも含めて検討すべきです。

    対処の成否を分ける「事前準備」と「証拠の確保」

    不当な解任をめぐる紛争で結果を大きく左右するのは、証拠の有無です。会社側から解任を示唆された時点から、やり取りの記録を残すことが極めて重要になります。

    具体的には、会社側からのメールや書面、取締役会や株主総会の資料、職務遂行に関する報告書、社内でのやり取り、報酬の定めに関する資料などが考えられます。口頭のやり取りについても、日時、場所、出席者、発言内容をメモに残しておくことが有効です。

    とくに社内データへのアクセスが制限される前に、適法な範囲で必要資料を確保しておくことが大切です。解任後にはメールアカウントの停止や社内システムへのアクセス遮断が行われることも珍しくありません。「まだ大丈夫だろう」と後回しにせず、解任の可能性を感じた段階で弁護士に相談し、どの資料をどのように保全すべきかについて助言を受けてください。

    また、弁護士にご相談いただく際には、取締役としての地位や報酬関係を示す基本資料を併せて準備しておくと、初回の段階から具体的な見通しを示せる可能性が高まります。具体的には、会社の登記事項証明書、定款、取締役任用契約書(委任契約書)、役員報酬規程や報酬の定めに関する株主総会議事録、給与明細や源泉徴収票、さらに解任の経緯を示す招集通知、株主総会議事録、解任通知書、会社側との間でやり取りしたメールや書面などが該当します。これらがすべて揃っていない場合でも、現に入手可能なものから確認を進めますので、解任後に社内システムへのアクセス制限がかかる前に、可能な範囲で早めに写しを確保しておくことが望まれます。

    役員の解任トラブルで押さえておきたい補足事項

    ここまで、主として株式会社の取締役の解任を前提に説明してきましたが、代表取締役の地位や特例有限会社の取扱いなど、会社の形態や役職によって注意すべき点があります。以下では、紛争になりやすい補足事項を確認します。

    代表取締役の「解職」と「解任」の違い

    代表取締役には、「代表権」と「取締役としての地位」という二つの側面があります。「解職」とは、代表取締役としての代表権を失わせることであり、取締役としての地位までは失いません。これに対し、「解任」は取締役そのものの地位を失わせることです。

    取締役会設置会社では、代表取締役の選定・解職は取締役会の権限です。そのため、代表取締役から外されたとしても、株主総会で取締役の解任決議がされていなければ、なお取締役としての地位は残ります。

    どちらの処分を受けたのかによって、法的な意味も、その後の争い方も変わります。自分が受けた措置が「解職」なのか「解任」なのかを、議事録や登記の内容も含めて確認することが必要です。代表権を外されただけなのか、取締役そのものを解任されたのかが不明確な場合は、弁護士に相談して状況を整理してください。

    特例有限会社の取締役の解任と損害賠償請求の可否

    特例有限会社では、旧有限会社法時代からの経過により、取締役の任期を定めていない会社が少なくありません。この場合、解任された取締役が会社法339条2項に基づいて損害賠償を請求できるかが問題になります。

    この点については、任期の定めのない特例有限会社の取締役について、会社法339条2項による損害賠償請求を否定した下級審裁判例があります。会社法339条2項が任期に対する法的保護を前提とする以上、具体的な任期が定まっていない場合には、同項の適用を認めにくいという考え方です。

    もっとも、この点には学説上異なる見解もあり、なお議論があります。裁判例の存在だけで請求を諦める必要はなく、定款の内容、就任経緯、報酬の定め方など個別事情に即した主張を行うことで、賠償が認められた事案も報告されています。特例有限会社の取締役として解任を受けた場合には、この分野に詳しい弁護士に相談することを強くお勧めします。

    少数株主による役員の解任の訴え(会社法854条)

    取締役の解任は、通常は株主総会の決議を経て行われます。しかし、会社法は、一定の要件を満たす少数株主に対し、株主総会決議とは別のルートで取締役の解任を求めることを認めています。これが会社法854条に定められた役員の解任の訴えです。

    この訴えを提起できるのは、公開会社の場合、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き有している株主とされています。非公開会社の場合には、議決権割合に関する100分の3以上という要件は同じですが、6か月前から保有していることという株式の保有期間に関する要件は課されません。いずれの場合も、定款によって要件を緩和することは認められており、一定の持株比率が必要となる点は共通します。

    役員の解任の訴えが認められるためには、次の二つの条件をいずれも満たす必要があります。一つは、取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令もしくは定款に違反する重大な事実があったことです。もう一つは、当該取締役の解任を議題とする株主総会において解任が否決されたこと、又は種類株主総会の決議が必要とされているにもかかわらず当該決議が得られず解任決議の効力が生じなかったことです。さらに、提訴期間として、当該株主総会の日から30日以内に訴えを提起する必要があります。

    この制度は、一度株主総会で解任議案が否決されたとしても、少数株主が裁判所に取締役の解任を求めうるという意味で、被解任側の取締役にとっても無関係ではありません。株主総会で解任議案が否決されたというだけでは地位を守れない可能性があり、この訴えを提起された場合には、自らに不正行為や法令・定款違反の事実がないこと、あるいは会社側が主張する事実関係が誤解に基づくものであることを、主体的に主張立証していく必要があります。

    会社が想定している、あなたの取り得る対抗策

    会社が取締役の解任を検討する場合、解任された取締役がどのような対抗策を取るかは、あらかじめ想定したうえで手続きを進めているのが通常です。

    あなたが取り得る対抗策としては、株主総会における反対の働きかけ、招集手続きや決議方法の瑕疵を理由とする決議取消しの訴え、会社法339条2項に基づく損害賠償請求、役員退職慰労金に関する請求、保有株式の処理をめぐる交渉などがあります。加えて、解任の撤回や地位の回復を正面から求めることもできます。

    これらの対抗策を現実に行使できるよう、早い段階で弁護士と連携しておくことが重要です。会社がどのような準備をして解任に臨んでくるかを理解しておくことで、ご自身が取るべき対応も見えてきます。

    役員の不当な解任・強制辞任はご相談ください

    取締役の解任をめぐる問題は、会社法上の条文だけを見ても判断が難しい場面が多くあります。手続きの適法性、正当な理由の有無、解任の撤回の可否、損害賠償の見込み、役員退職慰労金や株式の扱いなど、複数の論点が同時に絡むからです。オーナー会長やワンマン社長の不当な扱いに屈する必要はありません。自分だけで判断しようとせず、早い段階で専門家に相談することが大切です。

    解任された役員の皆様へ─解任撤回・損害賠償・退職金請求をサポートします

    「突然解任を言い渡された」「辞任届を書くよう求められている」「役員退職慰労金が支払われない」──こうした状況に置かれている方は、弁護士法人M&A総合法律事務所にご相談ください。

    当事務所では、取締役の不当な解任に対する解任撤回の交渉、会社法339条2項に基づく損害賠償請求、役員退職慰労金の請求、保有する非上場株式・少数株式の買取請求など、役員の権利保護に関する案件を多数取り扱っています。解任の経緯を丁寧にうかがい、解任撤回の可能性、損害賠償請求の見込み、今後取り得る対応について具体的にご説明します。

    解任前の段階であっても、資料の集め方や会社とのやり取りの進め方によって、その後の結果が大きく変わることがあります。「まだ解任されていないから」と躊躇する必要はありません。早めにご相談いただくことで、適切な準備を進めやすくなります。

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